【スポーツ合宿 選手たちの声】
JHA(日本ホッケー協会)エリートアカデミー
三好 浩史(みよし ひろふみ)さん、冨田 恭平(とみた きょうへい)さん
対象:JHA(日本ホッケー協会)
三好 浩史さん(JHAエリートアカデミー統括コーディネーター)
冨田 恭平さん(ホッケーファミリー未来部)
今年度からサポートさせていただいた合宿の満足度・改善点などを選手から直接聞いてみたいという想いから、合宿終了後にインタビューをさせていただく取り組みを始めました。
前回は、福岡大学ラクロス部・同志社大学準硬式野球部の主務である諸遊壮一郎さんにお話を聞きました。(年齢や学年は取材時のもの)
今回は第3回。日本ホッケー協会 三好 浩史(みよし ひろふみ)さん、冨田 恭平(とみた きょうへい)さん にお話を伺います。
キャリア形成の手段としての、ホッケー。
Q、ホッケーを始めたきっかけを教えてください。
三好さんー(現役時代のポジション:GK)
兄の影響で始めました。高校進学を考える頃に、兄はすでにホッケーをしていました。中学時代のドラマを見て、東京への憧れを持っていた中「ホッケーをやれば、東京に行ける」ということを耳にしました。僕らの高校はホッケーがとても強い学校でした。僕らの頃も強かったです。
冨田さんー(現役時代のポジション:DF)
大学に進学出来るという確信があったことが理由です。中学校まではサッカーをやっていました。サッカーも強いけど、ホッケーであれば全国大会に行けると聞いていました。
学校からのスポーツ推薦で東京の大学への進路が開けていたという点が大きかったです。
Q、なぜホッケーを続けているのか?
三好さんー
大学1年生の頃に、世代別の日本代表に選ばれました。そこでホッケーの面白さを知って、このままもっと高いレベルまでやってみたいと思いました。僕は2008年まで現役で、その頃は、オリンピックを目指していました。
選手として11年ほど日本代表に選ばれていましたが、メインで出た試合は数える程度でした。当時からGK専門の指導者はいませんでした。そこから、GK専門の指導者を目指しました。
社会人として働き、空いた時間で(指導の)勉強をしました。コーチの駆け出しの頃は、GK専門のコーチではなく、プレイヤーやホッケーをはじめたての子供たちの指導を行っていました。そこから土台を築き、GK専門のコーチになりました。
冨田さんー
選手としては代表にも行っていないし、実績もありませんでした。大学を卒業して、遊びでホッケーをしながら指導者になりました。指導者になるのが早かったんです。プレーすること以上に教えることがだんだん楽しくなりました。
日本のフィールドホッケーの技術向上に、自分が役立てることがあるのではないかと月日が経ってだんだんと強く思うようになりました。
中学時代のサッカー部、高校時代も、大学も選手が考えて判断して練習するという環境でした。「自分がもっとしっかりと指導を受けていたら、もっと選手として高みを目指せていたのではないか。良いプレーヤーになれていたのではないか」という願望の現れかもしれません。
三好さんー
私には師匠も味方もいませんでした(笑)。
大学には専門のコーチがいなかったんです。4年生が中心になってメニューを作るという環境でした。その時に『社会性』『組織性』のようなものは育まれたような気がします。
GK指導する三好さん(写真右)
「良い指導者がいるらしい」
Q、日本ホッケー協会に携わることになったきっかけを教えてください。
三好さんー
3年前のJ-STARプロジェクトが始まるタイミングでした。最後のピースとして、GK専門のコーチが必要だった。高橋章(現・男子日本代表ヘッドコーチ)さんが同じ会社で、私に声をかけていただきました。当時大学のコーチを辞めたタイミングだったこともあり、「J-STARプロジェクトは面白そう」と思い、受けさせていただきました。
冨田さんー
私に関しては「良い指導者がいるらしい」とホッケー協会で噂が立ったそうです。県内で指導者をしていたことが日本ホッケー協会の目に留まりました。チームが強くなった。SNSにホッケーの練習風景や動画をたくさんアップしていました。当時は(もしかしたら今も)SNSで練習や試合の動画を撮影し、投稿している人はほとんどいなかったです。そういった情報発信や指導のスタイルを評価されました。
日本のホッケー協会の育成・成長を願って指導を続けていたので、ご相談をいただいたことはとても光栄でした。
Q、日本ホッケー協会では、どんな役割を担われていますか。
三好さんー
JHAエリートアカデミーの統括コーディネーターです。
統括コーディネーターの役割は事業がスムーズに進めれるように事業の計画や準備、協会の事務局やその他の関係者とコミュニケーションを取ることなど、ハブ(仲介役)の役割です。
冨田さんー
現場の統括コーチです。役割はアスリートへの直接コーチングをすることはもちろんあります。また、アスリートと指導者のハブ(仲介役)となることもあります。
選手を指導する冨田さん(写真右)
環境を与えたら、子どもたちは勝手に学ぶ
Q、今回RUNBRIDGEにご相談いただくことを決めた理由を教えてください。
三好さん、冨田さんー
これまでJ-STARプロジェクト1〜2期をサポートしてもらっていました。2023年のエリートアカデミーを任せることによって、指導者が選手への指導に時間を集中させることがしたかったです。決めたというよりは、流れです。
一番助かっているのは、経費の処理関係もサポートしてくれている点ですね。
Q、エリートアカデミーの合宿の目的や目標はどんなことでしたか?
三好さん、冨田さんー
ゴールは様々な地域から集った選手たちとの関わりによって、『視野を拡げる』『考え方・価値観を拡げる』『固定概念を壊す』 のインプットです。そして、それぞれの地元に帰ってからのアウトプットも大事です。このインプットとアウトプットの自走・自立のためのマインドセットづくり、人間的成長です。そういった環境を与えたら子どもたちは勝手に学ぶと思っています。『勝手に学ぶ』理論です(笑)。
Q、実際に合宿を行って、どんなことを得られましたか?
三好さん、冨田さんー
初めて自治体の岩手町を巻き込んで合宿に臨みました。
地元とのつながり・理解が必要でした。実際につながりを作ることが出来、懇親を深めることが出来ました。同時にこれからのJHAの未来についての目標を指導者同士で再確認することが出来たことは非常に実りがありました。
選手個々としては、エリートアカデミーに参加できていることへのモチベーションが各々高かったという印象です。このアカデミーに参加できていることに気持ちが鼓舞されていたようです。
新しいホッケー友達が出来たこと、競技としては、やったことのないことに取り組んだことによる
新しい学び・刺激。それらを地元に帰って活かすというきっかけが生まれたと思います。
選手たちは、地元に帰ってから『BAND』というアプリケーションを活用して、自分たちの練習や試合の振り返りを行ったり、その振り返りを周りに共有する環境ができつつあります。
Q、RUNBRIDGEのサポートを、どんな方やチームへおすすめしたいですか?
三好さん、冨田さんー
2つあります。1つは指導に集中できていないマイナースポーツチームです。もう1つはチーム経営にあたっての客観的、俯瞰的な意見を必要とするチームです。
この2つにとってRUNBRIDGEは貴重な戦力であり、サポーターになれる存在だと思います。
選手を指導する冨田さん(写真左)
選手を指導する三好さん(写真左から2番目)
今回サポートさせていただいたこと